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テクニクス×ナガオカ×東洋化成「レコード再発見プロジェクト」発足イベント

2016年4月12日:東京タワー

 

 

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パナソニックのオーディオブランドTechnics、

 

世界中の80%の針先を製造しているナガオカ、日本で唯一のアナログ製造工場を擁する東洋化成の三社によるコラボレーション・プロジェクト、「レコード再発見プロジェクト」を発足させ、4月12日に、東京タワー大展望台にて記者発表を行いました。終わったかと思いきや、最も注目をあびているというところで、アナログ文化に思いを馳せる場所として最適の東京タワーにての開催となりました。

 

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ともに「Made In Japan」にこだわりをもつ三社による情報発信や活動を通して、より高いレベルの製品開発にフィードバックさせ、音楽ファンの中にアナログレコードの魅力を広めることを目的に結成されたこのコラボレーション。会の冒頭でスピーチを行ったのはTechnics担当 伊部哲史さん。全世界で350万台というトータル販売台数を誇る名器1200シリーズの最新(限定)モデルとしてSL-1200GAEについて説明。”ダイレクトターンテーブルの再定義”をコンセプトに、従来機の課題であった『コギング』(回転ムラや回転中の微少な振動の発生)の解決など、オーディオ機器の基本線をじっくり見直したモデルに仕上がったことを報告。

 

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ナガオカの技術アドバイザー 寺村博さんは、同社の最高級カートリッジに位置するMP-500について、20kHzまではフラットな特性をもち、ジャンルを選ばないレコード針であることを述べ、今回のプロジェクトにMP-500が選ばれたことについて、自分のやり続けてきた仕事が評価されたと、喜んでいらっしゃいました。

 

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東洋化成のカッティングエンジニア 西谷俊介さんは、レコーディング→マスタリングの後の作業と位置づけられることの多いカッティングについて、東洋化成における、プレス工場にひもづく流れにて作業を行うことによる製品の安定性について言及。オーディオブランド、レコード針のメーカーとの情報交換を通してより高いレベルのアプローチへのきっかけになればとコメント。

 

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最初にトークゲストとして登壇したアリス=紗良・オットさんは、アーティストとしてご自身の音楽を表現する際の、Technicsをはじめとする「Made In Japan」への信頼感を語り、個人的にもアナログレコードのもつ優しくノスタルジックな音色が好きであるとコメント。このイベントのために特別にプレスされたアリスさんご自身のレコードに針をおろしてくださいました。

 

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続いては、ミュージシャンの鈴木慶一さんと、結成45周年を記念して再結成されたロックバンド❝はちみつぱい❞のメンバーとして久方ぶりに鈴木さんと音楽活動をおこなう、オーディオ評論家の和田博已さんが登場。冒頭、和田氏は、「今回の”SL-1200″は以前の機種より10倍以上性能がアップし、恐らくこの価格帯では世界最強のプレイヤーに仕上がっている」と新機種を評価。個人所蔵のレコードをかけるコーナーでは鈴木さんがGrateful Dead『American Beauty』、和田さんがご自身が再発監修に関わったはちみつぱい『センチメンタル通り』を選曲。鈴木さんは「レコードは録音当時の空気を閉じ込めてある感じがひしひしします。その年代のスタジオの空気ってあって、それがちゃんと聴けるのは嬉しいことですね」とコメント。

 

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そして最後のゲストとして、ブロードキャスターのピーター・バラカンさんとビートルズに造詣の深い編集者の藤本国彦さんが登場。

 

バラカンさんはアナログレコードのみをかけるFM番組を一年間やられていた体験から、FMの電波を介してもアナログレコードの音の良さがリスナーの皆さんから評価を受けたことをコメント。藤本さんとの個人所蔵レコード・コーナーではDerek and the Dominos『Layla』のUKオリジナル盤から選曲。ビートルマニアの藤本さんはUKオリジナル・ステレオ盤『ホワイトアルバム』、そしてバラカンさんのリクエストでオリジナル・モノ盤「Rain」を選曲。スピーカーから吹き出る圧倒的な音圧の迫力に、アナログレコードがこうしたラウドな音像にも強いメディアであることを確認しました。

 

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そして会合の最後には、東京タワー地階に設営されたTechnics 試聴ブースにてSL-1200GAE、ナガオカMP-500、そしてこのイベントのために東洋化成にてプレスされたレコードによるリスニング会が引き続き催されました。

 

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当日、会場にて配布された資料(パンフレット)には、Technics製品の開発をなさっているCTO/チーフエンジニア 井谷哲也さんが下記のようなコメントをくださいました。

 

~ブランドを構築するのは長い年月がかかりますので、今は蓄積の時期と心得、腰を落ち着けて、愚直な商品開発に取り組んでいきたいと思っています。~

 

このコメントこそが、当日、我々が皆様にアピール申し上げたかったことです。350万台を誇るSL-1200シリーズもDJ諸氏のために作られたのではなく、DJ諸氏が選んでくださった。ナガオカの寺村さんが心血注がれたレコード針も、東洋化成のレコード作りもしかり。いつ、どなたの手に渡ってもご満足いただけるスペックを満たすべく、我々はひたすら❝愚直❞な製品づくりを続けます。

 

Record Rediscover Project

 

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